昔の習い事の話。スパルタレッスンで鍛えられた【自己紹介力】
今週のお題「自己紹介」
幼い頃から人見知りが激しく、自己紹介どころか、人前で喋ることが苦手でした。
家族の前では普通に話せるんです。でも、なぜか一歩外に出ると、たとえば近所のおばちゃんに「こんにちは」と挨拶をされても返すことが出来ない。「色ちゃんは今何歳なのかな?」と優しく尋ねてもらっても、下を向いてもじもじするだけで答えられない。
私はそんな子供でした。
これは、まだ小学校に上がる前。
私の人見知りを見かねた母が、どこから見つけてきたのかとある習い事をすすめてきました。
当時はあまり理解していなかったのですが、それは要するに芸能事務所の養成レッスンと呼ばれるやつでした。
よくわからないままレッスンの見学に連れていかれ、そしてよくわからないままレッスンの受講が始まっていました。
物心がついたころには、毎週日曜日はレッスンの日というルーチンが出来上がっていたのです。
一応お伝えしておきたいんですが、この時の私には芸能界に入りたいなんて気持ちはこれっぽっちもありませんでした。(たぶん母にもそんなつもりはなかったと思いますが詳しくは分かりません、、、)
実際に、芸能界なんてまったくご縁がないままでしたし。本当に「習い事のひとつ」という感覚でした。
大嫌いになった自己紹介
さて、養成レッスンっていうけど具体的に何してたの?という疑問にお答えしますと、大まかに分けて演技・歌・ダンスの3種類のレッスンがありました。
また、私が通ってた事務所では年に一度、レッスン生全員が出演するミュージカル公演を行うことになっていたので、時期によってはその稽古やレッスンがあったりしました。
演技や歌の前に、そもそも人前で話すことが大の苦手な私。詳しいレッスン内容は覚えていないんですが、とにかく毎週日曜日がくるのが憂鬱だったので、相当嫌だったんだろうなと思います。
レッスンは基本全部嫌だったんですけど、その中でも特に嫌だったのが、自己PRと呼ばれていた、自己紹介の上位版みたいなものでした。
たぶんオーディションとかで使うんでしょうね。一応芸能事務所だったので。(私はオーディションなんて受ける機会ありませんでしたが)
その自己PRというのは、こんな感じでした。
おはようございます!
よろしくお願いします!
◯◯◯◯(フルネーム)です。
平成◻︎年◻︎月◻︎日生まれの◻︎歳です。
身長◻︎cm、体重◻︎kgです。
特技は△△で、××することが好きです。
(この場で出来るものであれば披露してアピールする)
将来の夢は◇◇◇◇です。
よろしくお願いします!
ありがとうございました!
これを、最大限の声量とスマイルで言えるようになろうというレッスンです。
いや〜〜、もうほんと、めちゃくちゃしんどかったです。毎回泣いてたと思う。
とはいえレッスンはじめたての4〜5歳のころはまだ甘く見てもらっていて、8歳くらいになった時にやらされた自己PRのレッスンは、今でも強く心に残るレベルの辛さでした。
なにせ最初の「おはようございます!」を言ったか言わないかくらいのところで止められて、
「声が小さい!!!腹から出せ!!!!!!!!」
とお叱りを受けるんです。
やり直してもやり直しても終わらない。もちろん泣いても終わらない。先生のオッケーが出るまで何度も何度も「おはようございます!!!!!!!!!!」と叫び続ける。
ずっと大声を出しているし、汗や涙でどんどん体から水分が抜けていくし、緊張状態の立ちっぱなしで極限状態。やっとオッケーが出て緊張が切れた瞬間、その場で崩れるように座りこんでしまって、もうそのあとの記憶はないです。たぶん早退したと思う。
まさにこんな顔してた。
というかこれ、今思えば、ブラック企業の新入社員研修そのものじゃない?恐ろしいな。
こんな辛い思いをしながらも、養成レッスンは私が中学校に上がるくらいまで続けていました。通算7〜8年くらいやったと思います。
母は、私がどんなに「レッスン行きたくない!」と泣き叫んで拒否しても絶対に辞めさせてくれなくて。
「あんたがやりたいって言って始めたんでしょ!」と、よく怒られました。
いやいや、それやりたいって言ったの私4歳の時だし!覚えてないよ!!みたいな。笑
でも、中学生になって「レッスン嫌だ」という話をしたら、割とすんなりとやめさせてもらえました。なんだったんだよマジで。
とはいえ、当初の「人見知りを克服する」という目的は、ある程度達成できたのではと思います。苦手意識はまだあるけどね。
そんなわけで、普段は静かであまり声をあげないのに、なぜか自己紹介を振られると無意識に声が大きくなってハキハキと喋ってしまう変なクセがついてしまいまして、おかげさまで第一印象だけがすこぶる良い人間になりました。お疲れ様でした。